内航(ないこう)海運(かいうん)は、私(わたし)達(たち)の生活(せいかつ)に欠(か)かせないものを日本(にほん)国内(こくない)の港(みなと)に船(ふね)で運(はこ)びます。
私(わたし)はセメントを運(はこ)ぶ船(ふね)で働(はたら)いています。セメントは、学生(がくせい)の皆(みな)さんが通(かよ)う学校(がっこう)や、通学(つうがく)に使(つか)う道路(どうろ)など、日々(ひび)当(あ)たり前(まえ)に使(つか)っているものの材料(ざいりょう)になっています。
ちなみに、内航(ないこう)海運(かいうん)は飛行機(ひこうき)やトラックでの輸送(ゆそう)に比(くら)べると、CO₂排出(はいしゅつ)量(りょう)が約(やく)1/5程度(ていど)と、地球(ちきゅう)に優(やさ)しい輸送(ゆそう)モードでもあります。

以前(いぜん)働(はたら)いていた水産業(すいさんぎょう)界(かい)も男性(だんせい)が多(おお)い職場(しょくば)で、慣(な)れておりました。
岡本(おかもと)海運(かいうん)㈱の乗組員(のりくみいん)は私(わたし)以外(いがい)全員(ぜんいん)男性(だんせい)ですが、入社(にゅうしゃ)前(まえ)に船(ふね)を見学(けんがく)したところ、ベテラン船員(せんいん)も若手(わかて)も笑顔(えがお)で明(あか)るく働(はたら)いており、不安(ふあん)はなくなりました。
実際(じっさい)に働(はたら)いてみて、力作業(ちからさぎょう)では困(こま)ることもありますが、みんな優(やさ)しくサポートしてくれ、楽(たの)しく働(はたら)いています。

前職(ぜんしょく)は水産業(すいさんぎょう)界(かい)でマグロやカツオを売(う)る仕事(しごと)をしていました。ふと「この魚(さかな)を獲(と)ってくる船員(せんいん)。てどうやってなるの？どんな仕事(しごと)なの？」と気(き)になり調(しら)べました。調(しら)べるうちに「大好(だいす)きな海(うみ)が職場(しょくば)」。ていいな、と思(おも)うようになり、船員(せんいん)免許(めんきょ)を取得(しゅとく)出来(でき)る学校(がっこう)に2年(ねん)間(かん)行(い)くことを決心(けっしん)しました。

① 給料(きゅうりょう)が良(よ)い。乗船(じょうせん)中(ちゅう)は３食(しょく)の食事(しょくじ)提供(ていきょう)もあり、お金(かね)を使(つか)うことがないので貯金(ちょきん)できます。
② 長期(ちょうき)休暇(きゅうか)があり、旅行(りょこう)や趣味(しゅみ)が楽(たの)しめる。（40日(にち)乗船(じょうせん)後(ご)、20日(にち)休暇(きゅうか)）
③ 知(し)らない人(ひと)にも「船員(せんいん)。てどんな仕事(しごと)なの？すごいね！」と興味(きょうみ)を持(も)ってもらえる。

船(ふね)で運(はこ)んでいるものは、私(わたし)たちの生活(せいかつ)に必要(ひつよう)不可欠(ふかけつ)なものです。無事(ぶじ)に荷役(にやく)が終了(しゅうりょう)すると、「私(わたし)の仕事(しごと)は社会(しゃかい)に貢献(こうけん)しているんだな」とやりがいを感(かん)じます。
大変(たいへん)なことは、入社(にゅうしゃ)してまだ間(ま)がないので、覚(おぼ)えることがたくさんあること。船長(せんちょう)が「田中(たなか)さんは仕事(しごと)の覚(おぼ)えが早(はや)いから、早(はや)くいろんな作業(さぎょう)を覚(おぼ)えて、航海士(こうかいし)へ昇進(しょうしん)してほしい。」と期待(きたい)して、仕事(しごと)をたくさん教(おし)えてくれます。覚(おぼ)える業務(ぎょうむ)がたくさんあって大変(たいへん)ですが、先輩(せんぱい)社員(しゃいん)が優(やさ)しく応援(おうえん)してくれる環境(かんきょう)なので、安心(あんしん)して働(はたら)いています。

乗船(じょうせん)中(ちゅう)：釣(つ)りや他(ほか)の船員(せんいん)とトランプ、映画(えいが)鑑賞(かんしょう)。みんなで船(ふね)の上(うえ)でBBQをすることも。
下船(げせん)中(ちゅう)：キャンプ、旅行(りょこう)。前回(ぜんかい)の休暇(きゅうか)は、岡山県(おかやまけん)の水島(みずしま)港(こう)で下船(げせん)し、倉敷(くらしき)で刀剣(とうけん)巡(めぐ)りをして地元(じもと)の千葉(ちば)に帰(かえ)りました。千葉(ちば)に帰(かえ)ってからも、新潟(にいがた)、山梨(やまなし)に行(い)ってキャンプやSUP(サップ)をしたり、静岡(しずおか)の友人(ゆうじん)に会(あ)いに行(い)ったり、20日間(にちかん)の休(やす)みを満喫(まんきつ)しました。

航海士(こうかいし)になること。岡本(おかもと)海運(かいうん)では甲板手(こうはんしゅ)を3年(ねん)程度(ていど)経験(けいけん)した後(あと)、航海士(こうかいし)になれます。いつかは、船長(せんちょう)になることも目指(めざ)しています。

船員(せんいん)って知名(ちめい)度(ど)が低(ひく)い仕事(しごと)ではあるけど、海(うみ)を見渡(みわた)せば絶対(ぜったい)に船(ふね)はあるし、海(うみ)が好(す)きだったら船乗(ふなの)りになってほしいです。給料(きゅうりょう)もいいし、やりがいもあります。船(ふね)を操縦(そうじゅう)することは緊張(きんちょう)するけど、楽(たの)しい。乗(の)り物(もの)が好(す)きな子(こ)にもおすすめ。今回(こんかい)の私(わたし)のインタビューが、子供(こども)たちが船(ふね)の仕事(しごと)を知(し)るひとつのきっかけになればうれしいです。