近年、世界的な規模で省エネルギーが大きな課題となっており、国内貨物輸送の分野でもエネルギー効率のよい輸送が求められています。内航海運は、1トンの貨物を1km運ぶのに必要とするエネルギー消費量が営業用貨物車の約1/5、また、CO2排出原単位でも約1/6と、エネルギー効率がよく、環境にも優しい輸送モードです。
国内の貨物輸送の分野では、トラックへの過度の依存から生じた道路混雑や騒音公害への対応と、二酸化炭素排出の削減をめざす地球温暖化対策等の環境問題への取り組みが強く求められています。そこで、トラックが運んでいる貨物の一部を二酸化炭素の排出が少なく、エネルギー効率のよい内航海運や鉄道に振り替える”モーダルシフト”が推進されています。
内航海運は、このように地球環境の保全に大きく貢献しており、エネルギー効率がよく『地球にやさしい内航海運』への期待がますます高まっています。
b)当総連合会では、国土交通省及び日本長距離フェリー協会と連携して、エコシップ・モーダルシフト事業を実施しています。これはモーダルシフトに貢献している企業を選定して、エコシップマークの使用を認定するとともに、特に貢献の大きい企業を国土交通省海事局長が表彰することにより、モーダルシフト推進に向けて関係者の理解と協力を要請するものです。この他にも、モーダルシフト等推進官民協議会、グリーン物流パートナーシップ会議などの各種協議会や、日本物流団体連合会の活動への参画を通じて、モーダルシフトの理解の醸成に努めています。
c)産業廃棄物や循環資源を扱う静脈物流は、環境問題の観点から重要であるとともに、海上輸送拡大の余地が大きく、モーダルシフトの新規分野と位置付けられるものです。当総連合会では従来から、港湾を核とした静脈物流システムの構築を目指すリサイクルポート推進協議会に参画してきましたが、平成25年6月に閣議決定された新しい総合物流施策大綱に「資源の有効活用を促進するための静脈物流拠点の整備、関連する制度の改善等」が明記されたことから、今後、コンテナの活用など新たな手法により、静脈物流の海上輸送拡大を目指していきます。
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